6月16日は「父の日」です。いつも家族のため、社会のため、汗水流して働くお父さんに、感謝の気持ちを届けたいですね。

今回は、父との思い出をつづりたいと思います。
私の父は、既に定年で退職していますが、八戸にある鶏肉の卸売りの会社に勤めていました。冷凍された重たい鶏肉をトラックに詰め込み、毎日配達をする仕事です。

小さいころ、父の働いている姿を、よく見に行きました。
いつも家で見ている優しい父の表情と違い、てきぱきと指示を出したり、重たい荷物も軽々と持ち上げたり。「お父さん、すごいなあ」と感動したことを思い出します。
営業所には大きな冷凍庫があり、配送トラックが何台も停まっていました。トラックの荷台でかくれんぼをしたり、倉庫を夢中で走り回ったことも懐かしい思い出です。

父は、朝早く家を出て、帰ってくるのは深夜。ほとんど休みも無かったように思います。
しかし、仕事の大変さを家で口にしたことはありませんでした。ただ黙々と働く父の背中を見ているうちに、「いつか、真面目に働く人たちが必ず幸せになれる社会をつくりたい。そのためにも、今は一生懸命勉強しよう」と決意が固まったことを覚えています。

弁護士として社会で働くことの厳しさを知ってからは、父に対する尊敬と感謝の思いが一段と強まりました。
父が無事に仕事を勤め上げ、定年を迎えた日。少し気恥ずかしかったのですが、感謝の気持ちを手紙にこめて渡しました。父は照れくさそうでしたが、とても嬉しそうな笑顔を浮かべていたことが忘れられません。

私が、中小企業やそこで働く方々のためのお役に立ちたいと思うのは、来る日も来る日も、懸命に働いてきた父の姿が胸に焼きついているからです。
日本を支えるたくさんのお父さん、そしてご家族のみなさんが、心から生活の安定を実感できる社会にしたい。父の日を迎えるにあたって、決意を深めています。