VRと介護

いつまでも地域で安心して暮らせる社会のために、今後もますます重要になる「介護」。
私は、この介護の現場に、ロボット技術など日本の最先端の技術の活用を進めていくべきだと思っています。

今、ゲームや観光などでも注目されているVR(バーチャルリアリティ)。
先日、この技術を介護の現場で活用している登嶋健太さんにお会いしました。登嶋さんは、高齢者の介護予防のためのリハビリの現場で働いています。

リハビリの合間の休憩時間に、登嶋さんは、高齢者の方に、「ハコスコ」というスマートフォンを使ってVRを簡単に見ることができる装置を覗いてもらいます。
するとそこには、その人が若い頃に訪れた思い出の場所の景色が。
「懐かしい」「自分の足でもう一度行きたい」と、リハビリを頑張る意欲につながっているそうです。

VRが写真や映像と違うのは、360度の景色で、まるで本当にその場所に行ったような体験ができること。
リハビリの指導をしながら利用者の方の思い出話を聞いているうちに、若い頃に訪れた場所をもう一度見せてあげたいと、景色の写真を撮りに行くようになった登嶋さん。
ところが、「写真には写っていないけど、この隣にお店があってね」などと、その方が見たいところが写っていないことも。それなら360度全部撮ってこようと、VRの活用を思いついたそうです。

写真や映像は撮ってきた人の目線でしか見ることができませんが、VRの場合、後ろを振り返ったり、上を見たり、自分の見たい方向を見ることができます。こうした能動的な所もリハビリの現場で活用するのに合っているということでした。

登嶋さんは、利用者ひとり一人の話を聞いて、その方の思い出の場所に、その方のためだけに足を運びます。日本全国、時には海外にも。
思い出の場所を見ることができたこともそうですが、自分のために撮ってきてくれた登嶋さんの優しさに、きっと利用者の皆さんは感動するのではないでしょうか。
最先端の技術も、一人に寄り添う人のぬくもりによって本当の意味で活かされるのだと思います。

「もう一度あの場所に行きたい」、自分の目標をもって、元気に生き生きと暮らす。
年を重ねても生きがいを持ち、自分らしく社会に参加していく、公明党の「活動寿命」の延伸とも通じ合う取り組みだと思いました。

登嶋さんは、VRのゲームなども好きな今時の若者。
若い人ならではの発想で、介護の現場を、社会をより良く変えていく。若者の活躍は、高齢者にとっても、社会全体にとっても大きな力になることを、改めて確信しました。

登嶋健太さんとの対談の様子は、本日、31日(火)21時から、インターネット番組、佐々木さやかの「さや活!」でご覧頂けます。
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