神奈川県立がんセンターで院内ADR研修

  すっかり涼しくなり、虫の声に秋の気配を感じる季節となりました。 10月5日、神奈川県立がんセンターで、院内ADR(裁判外紛争解決手続)医療メディエーター研修を視察させて頂きました。 このテーマを県議会の一般質問で取り上げた亀井たかつぐ県議をはじめ、上田いさむ前衆議院議員、おのでら信一郎県議とともに伺いました。 医師、看護師など医療関係者の方々が、熱心に受講されていたのが印象的でした。 ご協力いただいた皆様、大変にありがとうございました。 院内ADRは、医療過誤などのトラブルについて、裁判によらず話し合いなどで速やかに解決するための手続きです。裁判に比べて費用も時間もかからず、患者側の気持ちに寄り添った柔軟な手続きが可能であることから、注目されています。 ADRには、弁護士会など第三者的な立場にある機関が仲介役を務めるものもありますが、その場合、ADRを申し込んでから実際に話し合いが行われるまで、どうしても時間がかかってしまいます。一方、院内ADRは、病院内のスタッフ(医療メディエーター)が仲介役を担当するため、初期段階で適切な話し合いの場を提供できる点で優れています。 病院内のスタッフといっても、当然、公平な立場に立つことが要求されます。スタッフの皆さんは専門の研修を受講し、話し合いを円滑に進めるための技術も習得されます。 私も弁護士として医療事故などの法律相談を受けてきましたが、患者側が病院側の初期対応に不信感を持ち、問題の解決が困難になったケースも数多くありました。 院内ADRの普及によって、早い段階で患者側が望む適切な説明や情報開示がなされれば、よりスムーズな問題解決につながっていきます。また、第三者機関に指示されるのではなく、病院が自ら迅速な対応をおこなうという点で、病院に対する患者側の信頼回復につながることも期待できます。 すべての国民が安心して医療を受けられるためにも、こうした医療制度の充実に真剣に取り組んで参ります。