赤ちゃんをこの腕に抱きたい。――その切なる願いを応援できる社会に。
公明党の不妊治療等支援推進プロジェクトチームは11月17日、菅総理に対し、不妊治療への支援拡充について提言しました。
治療への保険適用とともに、現行の助成制度を1回40万円に増額、所得制限を撤廃することなどが柱になっています。
プロジェクトチームの座長は、伊佐進一衆院議員、私は事務局長を務めています。結婚、出産を迎える世代の方々と同じ目線で、青年議員が中心になり、当事者の皆さんから頂いた声を大切にして提言をまとめました。
■提言のポイント
- 不妊治療への保険適用実現
- 助成金を1回当たり上限40万円に(現行は初回30万円、2回目以降15万円)
- 夫婦合算730万円未満との所得制限を撤廃
- 出産ごとに回数制限リセット
- 事実婚も対象に追加
- 仕事との両立支援
- カウンセリング、相談体制等の充実
- 不育症への国の助成金創設
不妊治療は、治療自体の辛さ、精神的負担に加えて、経済的にも大きな負担がかかります。
公明党は、1998年に「基本政策大綱」へ盛り込んで以来、20年以上にわたって不妊治療の保険適用をめざし、支援拡大に取り組んできました。署名活動なども行い、公明党の坂口厚労大臣(当時)のもと2004年に公費助成が実現。その後も助成金の拡充、支援の充実に取り組んできています。
「今日の診察もやっとの思いで来たのに、明日も◯時に来てください、と言われた。そんなに続けて休めない」
不妊治療では、排卵の状況に合わせて急に病院に行かなければならないなど、仕事との両立が難しく、厚労省の調査では、治療か仕事か、どちらかをあきらめた人は女性で33%にのぼります。
提言では企業側の理解、柔軟な働き方の普及促進などに力を入れるよう要望しています。
不妊治療の支援においては、精神的な負担に対するケアも重要となります。
今回の提言では、相談体制の充実として、同じ経験を持つ人が相談に当たるピアカウンセリングへの支援なども要請。
また、妊娠したのに流産や死産を繰り返す「不育症」については、治療の実態や自治体の支援状況を把握した上で、国の助成制度の創設をめざすよう提言しました。
さらに、大切なのは、特定の価値観の押し付けにならないようにすることです。あくまで一人ひとりが、自分らしく生きるために、不妊治療支援もあるべきです。
経済的な理由で、治療をあきらめなくても良いように。患者が適切な情報のもとで、治療を選択できるように。当事者の方々が、安心して治療を受けることができるように。青年議員が中心となって、公明党は引き続き、支援の充実に取り組んでいきます。