ノーベル医学・生理学賞を受賞された京都大学の山中伸弥教授が、公明党再生医療推進プロジェクトチームの会合で講演を行いました(18日)。
山中教授は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を世界で初めて作製し、難病の仕組みの解明や新薬の開発、再生医療の実現に向けて新しい道を開いた方です。今年9月に成立した「造血幹細胞移植推進法」は、今後のiPS細胞の研究に大きな意義を持つもので、公明党が強力に推進してきました。山中教授も「成立に尽力した公明党に心から感謝したい」と語っておられました。
「造血管細胞」は血液のもととなる細胞のことで、骨髄やさい帯血(お母さんと赤ちゃんをつないでいるへその緒の中の血液)などに多く含まれています。白血病などの患者は体内で正常な血液を作ることが困難なため、骨髄やさい帯血の移植が不可欠です。移植を安全かつ円滑に進め、骨髄やさい帯血バンク事業を安定的に運営していくためにも、法整備が急がれていました。 また、さい帯血は良質なiPS細胞を作るうえで理想的な“原材料”として注目されています。推進法は、さい帯血の研究使用を認めているため、山中教授の再生医療研究のさらなる前進が期待されています。
推進法は、一人の声に耳を傾け、命を守る公明党の長年の取り組みが結実したものです。1997年7月、浜四津敏子代表代行(当時)が、さい帯血の公的バンク設立を目指す「日本さい帯血バンク支援ボランティアの会」代表の有田美智世氏に支援を約束。98年4月に、さい帯血移植への保険適用が実現し、99年8月に公的バンクが設立されました。
その後、財政的な困難などもあり、有田氏から松あきら副代表らに一刻も早い法整備の要請がありました。公明党は2011年5月、プロジェクトチーム(座長、山本香苗参院議員)を設置。さい帯血だけでなく、骨髄や末梢血幹細胞も含めた法律の検討も開始し、各党に強く働き掛けた結果、今年9月、「造血幹細胞移植推進法」が成立したのです。
山中教授は「公明党には、なんとしても行かなければと思って来ました」と語っていたそうですが、まさに、一人の声に徹して応える公明党の地道な努力と、iPS細胞を患者のために役立てたいという教授の思いが重なった、意義深い講演だったと思います。